
オンラインカジノは公務員がプレイしても大丈夫なのでしょうか?本記事では公務員がオンラインカジノをプレイすることの違法性について、詳しく紹介します。
筆者自身、公務員として勤めていたころにオンラインカジノをプレイしていた時期もあるので、実体験も踏まえつつ詳しく解説します。
目次
公務員がオンラインカジノをプレイするのは危険
公務員がオンラインカジノをプレイする場合、大丈夫ではないこともあります。民間のサラリーマンに比べて、公務員の方がオンラインカジノをプレイすることのリスクはあります。
どのような危険性があるのか、詳しく解説します。
「信用失墜行為」に該当する可能性がある
公務員がオンラインカジノをプレイすると、地方公務員法第33条に定める「信用失墜行為」に該当する可能性があります。
第三十三条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
信用失墜行為とは職務に関係あるか否かに関わらず、犯罪行為や社会通念上ダメと言われている行為をしてはいけないということです。
ただし具体的にどんな行為が信用失墜行為と見なされるのかの明確な規定はありません。信用失墜行為に準ずる行為があった場合には、所属先の上長の判断などによって総合的に検討されます。
したがって、仮に公務員がオンラインカジノをプレイするとしても絶対にバレないようにすることが大切です。
オンラインカジノは公務員に限らず違法性あり
そもそも、日本ではオンラインカジノを利用すること自体に違法性があるとも言われています。
公務員だろうとサラリーマンだろうと、オンラインカジノ利用の違法性は同じです。実際に2022年からは公の場やメディアでも「オンラインカジノは違法」と発信される機会が多くなりました。
海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です。
出典:警察庁HP
オンラインカジノではリアルマネーを使って賭けるので、完全に賭博行為に該当します。
仮にオンラインカジノで賭けていることがバレた場合には、単純賭博罪などの賭博に関する罪状で逮捕される可能性があることも理解しておきましょう。
ただしプレイヤーが賭博罪で逮捕された事例はほとんどない
近年はオンラインカジノのユーザーが爆発的に増加しています。しかしオンラインカジノを利用したことが理由で、賭博罪により逮捕された事例はありません。
2016年にオンラインカジノのプレイヤーが摘発された事件がありますが、逮捕された3名のうち2名は抵抗せずに罰金だけ払って終わり、1名は徹底抗戦の姿勢をみせ最終的に不起訴処分を勝ち取りました。
京都府警は、海外にサーバーがあるオンライン・カジノ(賭博サイト)に日本からアクセスし、ブラックジャックで金銭を賭けたとして、埼玉県の男性ら3人の自宅を強制捜査した
不起訴処分ということは、有罪か無罪かを決定する裁判が行われなかったということです。
不起訴処分が下された、そして以降は逮捕者が出ていないということを踏まえると、検察としてもオンラインカジノの利用で賭博罪に問うのは難しいと考えているのでしょう。
本記事執筆時点では誤って振り込まれたコロナ給付金4630万円をオンラインカジノで使ったことで田口翔被告の裁判が行われていますが、争点となっているのは賭博罪ではなく「電子計算機等使用詐欺罪」です。
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(電子計算機使用詐欺)
第二百四十六条の二 前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
業務時間中にプレイすると職務専念義務違反にあたる
地方公務員法第35条には「職務専念義務」が定められています。
第三十五条 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
引用元:地方公務員法第35条
簡単に言えば、業務時間中は業務にだけ集中しなさいという意味です。
オンラインカジノのプレイは職務には一切関係ないので、職務専念義務違反と見なされます。しかし信用失墜行為と同様に、明確な線引きはありません。
実際に筆者が公務員として仕事をしていた頃も、同僚の中には業務中に交際相手と電話をしたり、株価の売買をしたり、ネットサーフィンをしたり、睡眠を取ったりと、到底職務に関係あるとは思えないようなことをしている人もいました。
もちろん法律で職務専念義務は定められているものの、全員が全員まじめに遵守しているわけではありません。
それでも法律上は職務専念義務を守る必要があるので、公務員がオンラインカジノをプレイするならば、休憩時間中や勤務時間外を選ぶようにしてください。
公務員のオンラインカジノ利用がバレたらどうなる?
万が一公務員がオンラインカジノを利用していることがバレた場合は、懲戒処分を受けることになります。
どのような処分を受けるかは個々の勤務先の判断によりけりです。
またオンラインカジノの利用頻度や業務中のプレイがあったのか、日ごろの勤務態度などによっても処分内容は変わるでしょう。
具体的に公務員の懲戒処分には4種類があります。それぞれどんな内容なのか、詳しく紹介します。
懲戒処分 | 内容 |
戒告 | 注意喚起 |
減給 | 給料が減額 |
停職 | 出勤できなくなる (無給) |
免職 | 解雇 |
戒告
戒告は最も軽い処分で、単なる注意喚起です。
しかし将来的な昇給が抑制されたり、ボーナスの支給割合が減少させられたりする可能性もあります。
減給
減給とは給料カットのことです。一定期間に区切って一定のレートで給料が減額されます。
どのくらいの期間、どれだけの減給を食らうのかは、各地方公共団体の定める条例によりけりです。
ちなみに国家公務員の場合は、最大で1年間20%の減給を受けるものとされています。
停職
停職とは出勤できなくなる処分です。
公務員としての身分は保障されるものの、実際に仕事に出ることはできません。また働いていないので、停職期間中は当然無給となります。
法律上の規定では私生活の制限までは食らわないものの、所属先の命令によって外出させてもらえなくなる可能性もあります。
停職期間は1日以上1年以下の間で、所属先の判断によって異なります。
ちなみに筆者の公務員時代の同僚で停職を食らった人がいますが、結局停職が明けた後も出勤できず、そのまま自主退職していました。ある程度長い期間の停職を食らうと、空気的に再び出勤するのが難しくなってしまうのかもしれませんね。
免職
免職とは解雇のことです。
一般的に公務員は解雇されないと言われているものの、実際には懲戒免職を受ける可能性はあります。懲戒免職を受ければ退職金は支給されず、さらに履歴書に懲戒免職の事実を記載する必要もあるので再就職もかなり厳しくなるでしょう。
とは言え100%違法とは言いきれないオンラインカジノを利用しただけで懲戒免職を受ける可能性はあまり高くありません。
公務員がオンラインカジノをして処分を受けた事例
実際に公務員がオンラインカジノでプレイしたことによって処分を受けた事例があるので紹介します。
東北財務局の職員が勤務中にオンラインカジノをプレイ
2015年6月に、東北財務局の秋田財務事務所に勤めていた20代男性が勤務中にオンラインカジノを述べ174回プレイしていたことにより、6か月間の減給処分を受けました。
東北財務局は30日、勤務時間中に私用のスマートフォンでオンラインカジノを繰り返し利用し、国家公務員法の職務専念義務に違反したとして、秋田財務事務所(秋田市)に勤務する20代男性職員を同日付で減給10分の1(6カ月)の懲戒処分にしたと発表した。
2015年ということは、そこまでオンラインカジノが日本に普及していなかった頃の話ですね。懲戒免職理由としては「職務専念義務違反」だったようです。
当事者は結果的に自主退職したとのことですが、かなりの頻度でオンラインカジノをプレイしていたにもかかわらず減給止まりだったことで、停職や免職といった重い処分を受ける可能性は低いと言えるでしょう。
仮に勤務時間外であればバレていなかったはずであり、その場合は処分を受けることもなかったはずです。
公務員がオンラインカジノで稼ぐのは副業禁止規定に抵触する?
公務員は副業禁止規定もあることで、サラリーマン以上にオンラインカジノでプレイすることは違法性があると言われています。しかし実際に副業規定に違反して、懲戒処分を受けるという心配はありません。
筆者自身も公務員としての在職期間中にオンラインカジノで稼いでいましたが、副業規定違反と見なされたことも、そもそも疑われたこともありませんでした。
オンラインカジノの稼ぎは「一時所得」なので副業と見られる心配はない
オンラインカジノで稼いだ所得は10種類ある所得のうち「一時所得」に分類されます。
一時所得には公営ギャンブルの払戻金や生命保険の返戻金などが含まれており、事業と見なされることもないので副業規定に違反する心配もありません。
やり方次第でオンラインカジノの利益は勤務先に隠し通せる
副業禁止規定に違反したくなければ、自分自身で隠し通すことも重要です。
実はオンラインカジノで利益を稼いでいることは、やり方次第で隠し通すことも十分にできます。後述する方法は公務員だけではなく、サラリーマンにも共通するので知っておいて損はありません。
①住民税の徴収方法を「普通徴収」にする
最も簡単な方法は確定申告書を作成する際、住民税の徴収方法を特別徴収ではなく「普通徴収」にすることです。
特別徴収にすると住民税が毎月の給与から天引きされます。すると勤務先の経理部門が「給与に対して天引きされる金額が大きい」ということに気づき、副収入を得ていることがバレてしまうのです。
しかし普通徴収にすると、一時所得に課税される分の住民税は自宅に送付されてくる納付書(振込用紙)を使って支払います。
したがって勤務先に副収入を得ていることがバレる心配は一切ありません。
しかし税金を滞納していると市町村役場の納税部門などから、勤務先に財産確認のための連絡が入ってしまう可能性があるので、普通徴収を選択する以上は必ず期限内に支払いを済ませることを心がけてください。
②競馬などの公営ギャンブルで稼いだ利益だと言い張る
万が一副収入を得ていることが疑われた場合は、「公営ギャンブルで稼いだ」と主張すればOKです。実際に公務員でも、競馬や競輪などの公営ギャンブルで賭けることは法律違反には当たりません。
むしろ公営ギャンブルの利益も漏らさずに行うことで、勤務先の上司からも「しっかりしている人間だ」という評価を受けられるでしょう。
勤務先としてもどのように稼ぎを得ているかは本人から聞く以外の方法がないので、堂々と「公営ギャンブルで稼いでいる」と伝えましょう。
「虚偽の申告をすると後々マズいことになるのでは?」と不安に思うかもしれませんが、自白しない限りバレる心配もないので安心してください。
③年間の利益額を50万円以下にしてそもそも確定申告不要の状態にする
オンラインカジノでの利益を年額50万円以下にしておけば、そもそも確定申告をする必要がなくなります。一時所得には50万円という特別控除額が設定されているためです。
確定申告をしなければ、住民税額が変動することもないので、副収入を得ていることがバレるリスクもありません。
公務員がオンラインカジノをプレイするなら誰にもバレないようにしよう
公務員がオンラインカジノをプレイする際は、とにかくバレないことが何よりも重要です。
警察や勤務先にバレないというだけではなく、近親者も含めて絶対にバレないことを心がけてプレイしましょう。
オンラインカジノでプレイしていることは公言しない
まずはオンラインカジノをプレイしていることを公言しないでください。口は災いのもとで、どれだけ信頼している人に「ココだけの秘密で・・・」と言っても、すぐに他人に広まります。
またオンラインカジノでプレイしていることをSNSで発信したり、動画配信をするのも危険です。
プライバシーに関する情報をしっかりと隠せているつもりだったとしても、どこからバレてしまうか分かりません。
プライベートな空間でのみオンラインカジノをプレイする
バレないためには場所選びも重要です。なるべく自分だけのプライベート空間でプレイしましょう。
一方で人目につく可能性がある場所は危険です。特に職場は職務専念義務違反と見なされるリスクも高いので絶対に避けてください。
また通勤電車の中や飲食店の中も、誰がどこからスマホ画面を覗き込んでいるか分かりません。
オンラインカジノで大きく稼いでも給与水準から生活レベルを変えない
オンラインカジノで公務員としての給与を大きく上回るような稼ぎを得た場合も、極端に生活レベルを上げないようにしましょう。
急に羽振りが良くなると、同水準の給与しか得ていない同僚から「何か副収入を得ているのでは?」と疑われてしまいます。
例えば手取り20万円しか得ていないのに、高級マンションに引っ越したり、ハイブランドのスーツばかり着ていたりすると、怪しく感じるのは当然でしょう。
したがってオンラインカジノを通じてかなり大きな稼ぎを得た場合でも、貯蓄や投資に回すなどして、生活水準自体は特に変えないことが大切です。
生活水準を変えないことで、その後万が一大負けして一気に資金を失った場合の被害も最小限に留められます。