借金に首が回らなくなってしまった場合には、「自己破産」によりすべての借金を帳消しにできる制度があります。しかしオンラインカジノが原因で自己破産をしていいものか、疑問に感じる方も多いでしょう。
オンラインカジノが理由の自己破産はできるのかどうか?また、できるとしたらその確率は?を解説します。
目次
オンラインカジノが理由の自己破産はできる可能性がある
結論から言えば「自己破産ができる場合もある」という回答になります。
裁判官の判断で「裁量免責」になれば自己破産ができる
自己破産の手続きは、裁判所で破産手続開始の申立てを行うことでできます。
このとき、裁判官の判断で「裁量免責」を受けられれば、ギャンブル(オンラインカジノ等)が理由でも破産が認められる可能性があります。
ギャンブルが原因で借金が膨らんでしまっても、裁量免責という仕組みで、裁判所によって自己破産が認められるケースがあります。
裁量免責とは
裁量免責とは、法律上は自己破産ができない理由(免責不許可事由という)でも、裁判所の判断によって自己破産を認めるという制度です。
ギャンブルは、免責不許可事由に該当しており、破産法では自己破産はできないことになっています。
裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
(中略)
第4号
浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。引用元:破産法第252条第1項第4号
しかし、裁判所に対して、真摯な姿勢で浪費の経緯を説明したり、反省して更生の姿勢を見せることにより裁量免責を受けられれば自己破産ができるのです。
裁量免責が受けられるケースは約97%
裁量免責が受けられたケースは、免責申立の96.77%を占めます。不許可になったのは0.57%だけです(2017年調査結果より)。
債務者に反省する態度がない場合や破産手続きに協力しないなど悪質な事例を除いて、ほぼすべてのケースで裁判所による裁量によって免責が得られる
(中略)
免責を受けられないのはわずか3%程度と非常にまれな事例となっているのです。
そのため、ギャンブル(オンラインカジノ)による借金が原因でも、自己破産ができる可能性はあります。
オンラインカジノでの自己破産が認められたケースがある
事実、オンラインカジノが原因の借金でも自己破産できたという事例もあります。
債務整理の手続き:自己破産
借金の原因:ギャンブル(オンラインカジノ)
債権者数:9社
負債総額:500万円
結果:免責(中略)
無事に破産の免責が認められ、借金を0にすることができました。
裁量免責が受けられるかどうかはケースによりますが、まずは弁護士に相談するのが良いでしょう。